物心ついたころからずっと、子どもは欲しくないと思っていました。
子どもを持つことによってお金や時間が無くなるのがイヤだった……という話は「子供は欲しくなかったのに産んだ理由と、産後の正直な感想」の記事に書いたとおりだけれど、より根本的な問題として、「子どもを産んだら、自分が自分でなくなっちゃいそうで怖い」という恐れが心の底にあったと思います。
出産=自分らしさを失うリスク?
- 自分よりも大切な命(=子ども)が出来て価値観が変わった
- 出産すると女から母になって、生活ガラリと変化する
みたいな話は、ネットでも現実でもよく聞きます。以前のわたしはこういう話をポジティブに受け止められないどころか、かなりネガティブに捉えていました。
自分の価値観や考え方が好きだったし、気ままに旅行しまくるDINKs生活はとても充実していたし!子どもを産むことによる変化=自分らしさや現状の幸せを失うリスクとしか思えなかったんですよね。
頑張って働いて得たお金で余暇を充実させる日々は、自分の幸福や人生をコントロールできている実感があって、それを手放す怖さもあったし……。
楽しい恋愛の思い出もそれなりにあったから、「女から降りる」ことへの抵抗感もあったと思います。
自分の本質はそう簡単に変わらない
ところが実際に子どもを産んでみると、恐ろしいほどに人生は変わらない!
もちろん時間の使い方やよく出掛ける場所は変わったけれど、それらは人生を形作る要素としてごく表面的なこと。
好きなもの、好きなこと、価値観、優先順位、長期的な夢――わたしという人間のコアとなるような要素は本当~~~~に何一つ変わらなくて、拍子抜けしてしまいました。
「子どもが生まれたら女から母になって、オシャレより家事が、仕事より公園に出かけるのが好きになるんじゃないの?!」くらいの恐怖に駆られていた過去の自分がもはや微笑ましい。
子どもが産まれても簡単な料理しか作らないし、子連れでも気が向けば大きな石のついたジュエリーを身に着けるし、授乳が終わった瞬間に美容皮膚科通いを再開するし、モンハンと深夜のネットサーフィンはやめられないし!
まったくもって、これまでの人生の延長線上を生きているし、自分という人間の本質はそう簡単に変わりませんでした。
劇的にポジティブな変化も無し
一方で、
- 子どもが産まれて人生が明るくなった
- 子育てが生きがいで、成長を見守っているだけで幸せ
みたいな「子供をもつことによる劇的にポジティブな変化」もわたしにはありませんでした。
いやぁ、確かに自分の子はすごく可愛いんだけれど、あくまで別の人間ですしね……という感覚。子が健やかで、幸せにそうにしていると嬉しいのは間違いないけれど、それだけで人生オールオッケー!というわけにはいきません。
趣味や仕事や交友関係など、以前からわたしの幸せを支えてきてくれた要素たちは、やっぱり今後も人生の大部分を占め続けるようです。
良くも悪くも人生は自分次第でしかない
産後1年と少しした今、子どもを産んでも自分は全くもって自分のまま!自分らしさは変わらない!という事実にとても安心しています。やはり良くも悪くも、人生は自分次第でしかないんですね。
そういう意味では、結婚もわたしにとって似た経験でした。結婚や出産によって、これまで知らなかった感情や幸福を知ることができた一方で、結婚・出産そのものが自分の人生を根本から変えることはありませんでした。
人生には結婚や出産を含む沢山の出来事があって、それらを経て何を思うか、どんな選択を重ねるかによって自分らしさが編まれていくのだなぁと再確認。
これからの子どもがいる人生も安心して、自分らしく過ごしていけそうです。
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